ADDRESS:東京都杉並区高円寺南2-50-10 伊勢市ビル 2F
いわずと知れた古着屋さん激戦区の「高円寺」。個性豊かなお店が数多く存在する中で、ひと際目立つということはなかなかに至難の業ではないでしょうか。
今回ご紹介する古着屋さんは、そんな激戦区で異彩を放つ古着屋さん「Antler(アントラー)」さんです。
高円寺南口のパル商店街を抜けてすぐの場所、真っ白な看板が目に留まります。
階段を昇るところから、その世界観が広がっているのがおわかりでしょうか。90年代のグランジファッション、そして、その後日本のストリートシーンを席捲したブランド「ナンバーナイン」など、その道を通ってきた人なら心躍る古着屋さんです。
前述のブランド、テイストが持つ音楽の雰囲気を漂わせる古着が並びます。
テーラードジャケットや、柄シャツなど、クールなスタイリングには欠かせないアイテムが、それぞれに個性を放っています。
ユニセックスで楽しめるアイテムもありますが、メンズが中心のセレクト。どこかクールな男臭さを感じさせてくれます。
洗練された店内の雰囲気もそれに拍車をかけていますね。
ナンバーナインなどのアイテムを通ってきた人…と書きましたが、ではそれ以外の人は心躍らないのか?と問われるなら、それは否です。
知らない方にも新鮮に映るテイストであり、何より一点一点のアイテムにデザイン性の高さ、ファッション性の豊かさが存在しているので、純粋な古着としての魅力に溢れています。
そしてこれまた、私の目にも新鮮に映ったのですが、ダメージの入ったアイテム、グランジファッションには欠かせないBOROのアイテムが多く取り扱われています。
経年により生まれたダメージが作りだす雰囲気は唯一無二、まさに一点物のアイテムに出会えます。
過度ではなく、「格好良さ」として成り立つBOROのアイテムをピックされるバランス感覚が素晴らしいの一言です。
今やグランジファッションなどは決して、メインストリームを彩るジャンルではなくなってしまいましたが、それでもなお消えない輝きを放つ、このジャンルを守ってくれているようなラインナップです。お店の名前「Antler」は神の使いとされる、鹿の枝角を意味しています。
また、こちらではナンバーナインなどのグラフィックも手掛けたデザイナー川村貴彦氏のブランド「TODAY edition」のTシャツも取り扱われています。
より現在のストリートシーンを意識して、ファッションに落とし込む為のアイテムとしても活躍してくれるアイテムではないでしょうか。
近年、ストリートを賑わせたブランドのアーカイブアイテムに注目が集まっていますが、当時の物をそのまま買い集めたところで、収集欲を満たす以上のものは得られません。
近年のシーンを意識したアイテムを調和させることによって、ファッションアイテムとしても、そのようなアーカイブは輝いてくれるのではないでしょうか。
そんな流れを意識した上でも、Antlerさんのような存在は非常に稀有なものだと思います。
ロック・パンク・グランジ…手垢のついてしまったジャンルですが、常にブラッシュアップをさせてくれるような、そんなアイテムが揃う古着屋さんです。
クールで、音楽を意識したスタイリングや、ダメージの効いたグランジファッションに興味がある方、好きな方はぜひ高円寺の古着屋「Antler」さんに足を運んでみてくださいね。